自分の価値観を他人に押し付けようとする人
30代後半に、部長面談で管理職にならないかと言われた。当時、大阪で単身赴任していた。だがその場ですぐに断った。今の仕事を究めたいと思っていたからだ。管理職になれば800万円くらいの年収は見込める、と言われた。社宅の貸与期限ももうすぐ来るが年収800万円あれば不安なく大阪に住めるだろうという意味だ。
後日、たまたま仕事帰りに面談をしたその人に2人で飲みに誘われた。こちらは、単身赴任の身でどうせ帰っても一人なので軽く応じたが、それが間違いだった。
酔いが回ってくると、管理職になるべきだ、としつこく以前の面談の話を蒸し返してきた。いかに管理職になることがメリットが大きいか畳みかけてくる。私の結論は既に出ているので、別に尊敬もしていない他人の意見によってそれが変わることはない。
人生で一番嫌な酒席だった。今でもこの酒席を上回る嫌な酒席は経験したことはない。私が気分が悪かった一番の要因は、彼が自分の価値観を他人に押し付けようとしたことにある。
対処法
自分の価値観を他人に押し付けようとする人への対処法は意外とシンプルだ。一番最初に「私は、やりません(やりたくありません)」などと断固とした口調で自分の意見を表明する、ということだ。
ちょっと考えさせてください、とか、うーん、と唸って何も言わないと、相手に少しは脈ありかな、と思わせてしまう。断固断ることで、これ以上アプローチしても脈なしですよ、という意志の強さを伝えることができる。
ちょっとシチュエーションは違うが、半年くらい前に「大阪に転勤してくれないか」と言われた時に0.5秒くらいで「行きたくありません」と断ると、それ以上何も言われなかった。もちろん、裏であることない事悪口を言われていたようだが、何を言われようが何も恐れることはない。
そんな、急に話を振られたりした時すぐに判断できない、という人には、とっておきの方法がある。それは、普段からいろいろな問題について考えておく癖をつける、これに尽きる。
仕事ができる人は、即決即断だ。それは、普段からその問題について深く考えているからだ、と「0秒思考」の著者赤羽雄二さんはいっている。その具体的な訓練法は是非ご自分で本書を手にとって学んでいただきたい。