信頼できる人か一発で見抜く方法

貸し借りには人間の本性があらわれる

もう20年以上も前のことだ。社会人2年目から、仕事にもなれて休日寝ているだけでなく、自己投資を始めた。英語、ドラム、国際会計、の3つだ。ちなみに、現在の自己投資の柱は英語、ブログ、読書だ。

地元の演奏家の先生について5年くらいドラムを習っていた。独学でもできないことはないが、月に何回と通ったほうが続けられる。毎年一回全生徒の発表会もあってその演奏を聴くと結構本格的だ。

教室に通い始めてから数年くらい経ってからのことだ。レッスン終了後、先生が突然「これいいから貸してやる」と1枚のCDを貸してくれた。もう売っていないもので貴重なものらしい。私は別に借りたいとも思っていなかったが、ひとまず御礼を言ってお借りして家で聴いてみた。確かにいくつかの曲を聴いてみて印象的なドラムプレイがあった。今でも覚えているセッションがある。

次のレッスンでCDをお返しして御礼を言った。なにか言われるかなと思いきや、先生は私に特に感想を聞くこともなくCDを受け取っただけだった。その場はそれで終わった。

別にレッスンに直接関わるCDでもなかった。先生はなぜ突然そのCDを半ば強引に私に貸したのだろう。気にはなったが特にそれ以上考えることはなかった。

真意は多分これだ

それからしばらくして、先生から教え子たちで新しく作るバンドに入らないかと声がかかった。スイミングスクールでいえば、選手コースに入らないか、といわれるようなものだ。

先生は特に基本が大事とおっしゃっていた。レッスンの合間にあいさつ、受け答えを始め人生の基本、ということにもよく言及された。物を借りたら御礼を言って速やかに返す、ということももちろん人生の基本だ。ところが、借りるときは懇願しておきながら黙っていると返さない人は意外と多い。でも人生の基本が身についている人は何も言わなくてもきちんと返す。

今思うと先生が私に無理やりCDを貸したのはスクリーニングのためだった可能性がある。私が貸したものを返すという当たり前のことができるかどうか、つまり人生の基本が身についているかどうか試すためにやったのだと思う。うっかり返すのを忘れたのはいいかといえばそれもアウト。なぜなら、相手に貸したもの返せというのはストレスなのだ。相手に感謝するどころか気を使わせてしまう人間は人生の基本ができているとは到底いえない。

だから物の貸し借りには相手の人間性が如実に出る。ゆえに人にものを貸せば、その対応からその人が信頼できる人間かを一発で見抜くことができるのである。

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