リーマンショック後の株式爆買いから全てが始まった
30代になってしばらくしてリーマンショックが起きた。2008年9月15日のことだ。私の個人投資家人生が大きく動き出す。それまで保有していた株式は2000年に買ったソニー株式100株のみ。それが2008年から2009年にかけての1年近くで、約1000万円買い続けた。買って株価が下がる、もっと買う、あれもこれも安い、あれも買うこれも買う。明らかに安いのに買ったらそこからさらに下がって行くのだ。ふと気がついたら評価損が200万円くらいになっていてかなり焦った。
もっと買いたかったがもうお金がない。ほとんどの現金が株式に変わった。不要不急以外の現金は全部株式に変わった。こりゃ、やってまったか。そう思っていた頃、偶然読んだ日経新聞の寄稿欄でさわかみファンド創立者の澤上篤人先生が書かれていた寄稿文が忘れられない。「相場が暴落すると素人は動揺してしまう。しかし我々投資のプロはここが買い時と思う。そのために普段から有望な銘柄に関する情報を集め、割安になったら買うチャンスをうかがっているのだ」
それは浮足立つ投資素人の私を刮目させた。素人は損が出て動揺してしまうのに、それをプロは買い時だと思っているのだ。それもそのはず、普段から買うべき銘柄を見定め暴落する時を虎視眈々と狙っている。素人がかなうわけがない。
今から思うと当時私がやったのは無鉄砲な株式の爆買いだったが、澤上篤人先生の記事を読んだおかげで落ち着きを取り戻し、不安にかられて投げ売りせずに済んだ。
活動資金(お小遣い)を全て配当でまかなう
あれから約15年。節目節目に買い増しして、時々利益確定して、株式配当が株主優待も含めて年間約120万円(税引後)くらい得られるようになった。本業の給料とは別に月に10万円(税引後)の副収入を得ている計算だ。その6割くらいはまた再投資する。残りの4割くらいは自分の活動資金(お小遣い)として使っている。英語教材を買えるのも、1年に10万円分本を読むプロジェクトができるのも、自由に使える活動資金があるからだ。
時間がかかったがようやくここまでもってこれた。折々に思い出して投資方針として一貫して実践してきたのはもちろん澤上篤人先生のあの教えだ。「普段から有望な銘柄に関する情報を集め、割安になったら買い、一時的に株価が下がっても動揺せずにじっと持ち続ける」ということだ。
楽して儲けているように見えるかもしれないが、これだけのキャッシュフローを生み出すポートフォリオを構築するまでが長かった。大変だったはずなのに苦労とか全然感じない。
証券投資、これはれっきとした投資事業だ。やっぱり証券投資は自分の好きなことなんだろうと思う。実際に自分の資金で株式に投資して失敗も成功も経験してきた。そして株はバクチや運ではないと分かってから、MBAコースのファイナンス専攻にまでいって企業ファイナンスや証券投資を夢中で勉強した。同級生の殆どが敬遠していたが得意なことだから全然苦にならない。だからやりたいことなんだろうと思う。でも証券投資で儲けること自体は自分にとって大事なことではないから、ファンドマネージャーになって投資で食っていくというのは本当にやりたいことではないのだと思う。
でも、給料が上がらないで困っている若い世代に、証券投資をやったら15年くらいたったらやっといて良かったと15年前の自分に感謝するよ、と助言してあげられるとしたらどうだろう。それは自分の価値観「他者貢献」に合致する。
- 好きなこと 証券投資
- 得意なこと 自己投資
- 大事なこと 他者貢献
私が本当にやりたいこと
若い世代に、自己投資の一環として、本業の傍ら証券投資することを、20年のスパンで後押しする、普及・伝道活動。