地域限定正社員の申請と取り下げの間で揺れる

年間約20万円で地域限定正社員オプションを買えるが

地域限定正社員への転換を申請したのは、約2カ月前のことだ。原則認められるので、このままいくと今年の下期から地域限定正社員への転換が適用される。申請は任意で、一旦申請しても、気が変わったら期限内なら取り下げることも可能だ。ただ、地域限定正社員への転換の最も大きなハードルとなるのは、給与、賞与の定率減額である。シミュレーションしたところ、年額、手取りベースで約20万円の収入減となりそうだ。これは、年間20万円で地域限定正社員オプションを買うことを意味する。

転勤してくれないか?

2カ月前、自信をもって、地域限定正社員への転換を申請したのに、それが今になって、揺れている。実は、給料日を前に給与明細を見るたびに、気持ちが揺れるのである。この手取り額、もう、今年の下期からはもっと下がるんだろうな。としんみりしてしまう。お金のために働くのではないといっても、やはり、サラリーマンは給料がモチベーションのある程度の部分を占めているのは事実だ。

地域限定正社員への転換を申請する最も大きな理由は、もちろん、転勤の可能性を100%排除するためだ。だが、今月、別の人に対して、私が内々に候補としてターゲットにされていたと思われる部署への異動が命じられていた。私が断固として断ったために、他の人が犠牲になったのだ、と思った。そして、直近の転勤の可能性がグッと下がったことによって、緊張感が低下した。

手取り収入を少しでも増加させようとして、日々努力しているのに、地域限定正社員への転換は、給与、賞与の定率減額により、自分から手取り収入を返上するようなものだ。転勤の可能性が低下したのであれば、地域限定正社員への転換の申請を取り下げることも視野に入れて検討し直してもいいのではないか、と思い始めた。

オプションの価値=年間約20万円とは限らない

以前は、望まない転勤を命じられなかったら勝ちで、望まない転勤を命じられたら負け、という単純なゲームだった。そこに、地域限定正社員への転換というオプションが選択できることになった。すると、それだけで従来のゲームが大きく変わった。

地域限定正社員オプションを使ったから転勤を命じられずに済んだ、と推測される場合は勝ち。意に沿わない転勤を命じられて、「ああ、地域限定正社員オプションをつかっておけばよかった」と思ったら負け。あと、転勤がなくて、「でも、地域限定正社員オプションのおかげかどうか怪しい、オプション使わなくてももともと転勤を命じられなかったんじゃないのか」と思ったら負け。

要するに、オプションの価値>オプションの価格であれば勝ちで、オプションの価値<オプションの価格であれば負けというゲームだ。オプションが約20万円で買えるからと言って、オプションの価値が20万円とは限らない。もし、家族が急病で毎日仕事が終わってから病院に見舞いに行く必要がある状況なら、オプションの価格は20万円だが、確実に転勤を防げるこのオプションの価値は数千万円、数億円かもしれない。この場合、オプションの価値≫オプションの価格だから、大勝ちだ。

今の私は、転勤の実現味が減って、低くなった転勤の可能性を、さらに年間20万円のオプション料を払って0%に低下させることに、オプションの価格以上の価値があるのかどうか、という点に疑問を持ち始めたのだ。

オプションの価値>オプションの価格であれば、引き続き地域限定正社員への転換を申請を維持つもりだが、そうでなければ、取り下げも視野に入れている。ただ、問題は、オプションの価格は会社から明確に示されているが、オプションの価値は合理的に算定することが難しいということだ。

迷った末に、一旦申請した地域限定正社員を取り下げた。1年で20万円手取り額が下がるのは、収入面でも精神面でも影響が大きい。幸い、職場復帰してから体調を崩すことなくここまで来れている。地域限定正社員に申請して保険を掛けることもいいが、掛け金が惜しくなってきた、というのも事実だ。

 

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