続・中小企業診断士との出会い

中小企業診断士試験の勉強を始める

中小企業診断士の資格と試験に魅かれて、また、TACの中小企業診断士講座の初回の遠藤先生講義に触発されて、20万円超の受講料をTACの窓口で支払い、中小企業診断士の勉強を通信で始めた。

米国公認会計士講座と同じく、コース前払い一括払いだ。前払いして退路を断つ、これが通信講座で成功するための秘訣だと私は思う。兵力の逐次投入ほど愚かなことはない。

中小企業診断士の勉強を始めたのは、もちろん、資格取得が主の目的ではあるが、MBAの知識の復習に役立てたいという思いもあった。勉強を始めて感じたのは、復習どころか、新たに学ぶことがとても多かったということだ。

もちろん、経営戦略や、ファイナンスなど、主のところはかぶっているが、製造だとか、ITだとか、MBAでも選択科目となっていて学習テーマとして必要な学生や、興味のある学生しか選択しないであろう科目や、経済やマーケティングといったメジャーな科目でも、自分はMBA過程では必修科目の1科目しか勉強せずに済ましてしまっている科目についても、あらためて勉強した。

1次試験の試験科目だからしっかり勉強し直す必要があったのだ。だから、これだけでも中小企業診断士に挑戦した意義があったと思う。

TACの中小企業診断士講座の通信講座は受講生のモチベーションを引き出す仕掛けも充実していた。そのうちの一つが、受講生交流会・セミナーだ。

一人でやっているとどうしても孤独になる。仕事もあるので、忙しい時はそれどころではないときもある。そのうちに脱落していく人も多いと思う。試験範囲も膨大で勉強量も多く求められるのだ。

私は、勉強し始めた年の冬に、東京の渋谷校で行われた遠藤先生の受講生交流会・セミナーと、その後の懇親会に参加した。懇親会の最後に、電車の関係で途中退席しなければならず、先生の席を訪ねて、あいさつし、握手していただいたことを今でも覚えている。そして、よし、絶対一発合格するぞ、と心に誓い、新幹線に飛び乗って、何とか間に合ってその日のうちに帰ってきた。

中小企業診断士試験1次試験に一発合格

中小企業診断士の難易度は他の国家資格に比べても高いほうだと思う。1次、2次、3次と関門があり、1次試験は、短答マークシート方式で2日間にわたって、2次試験は筆記試験が丸一日かけて行われる。

1次試験の合格率は約20%、2次試験も約20%、3次試験は口頭試問で、2次試験をパスするような人はだいたい通ると言われているので、試験は、実質的には1次試験と2次試験がメインと考えていい。1次試験と2次試験を一気に突破できる確率は20%×20%=約4%と高難度だ。

1次試験は夏の一番暑いころに行われる。しかも、8月のお盆前の土日連続の2日間で行われる。暑い中、知力と体力を総動員して臨む総力戦だ。地元のマンモス大学のキャンパスが会場だったが、ものすごい数の受験生だった。こんなにも受験生がいるのかと驚いたくらいだ。

2日間の試験が終わると、すぐにその夜に自己採点する必要がある。なぜなら、それによって、2次試験の出願の準備をする必要があるからだ。正式な1次試験の結果通知を待っていてからでは、1次試験に合格していた場合、2次試験準備の時間が十分とれない。

自己採点しながら、確信した。一次試験は間違いなく合格している、と。そして私は、その翌日から、2次試験の準備にとりかかった。

TACの中小企業診断士講座の講師がおっしゃっていた。中小企業診断士の1次試験に合格することだけでも、MBAと同等の知識を持っているといえる、中小企業診断士は日本の資格版MBAだと。

ただ、残念ながら1次試験合格だけでは2次試験の挑戦権を得られるだけで、1次試験合格者というような資格はない。1次試験合格者にも「中小企業診断士補」みたいなステータスを授けてくれるだけで、受験生としては嬉しいのだがなあ、と思ったものである。

続々・中小企業診断士との出会い

 

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