休職前、できることなら、職場にあいさつしたほうがいい

休職前の職場の同僚と職場復帰後、また関わる可能性は大いにある

東京で単身赴任して、メンタル不調に陥って帰ってきたことは以前のブログ記事で紹介した。最後の日、行きたくなかったが職場に行き、上司と、いままで一番身近で仕事を教えてくれた先輩に挨拶し、謝ってきた。その日最初は何とか出勤するつもりで、職場の近くにいたのと、電話で相談した時、父親が、上司と世話になった人には直接会って話してきたほうがいい、と助言をしてくれたため、そのまま職場に行かずにフェードアウトしたかった(それぐらい職場に行きたくなかった)が、自分を𠮟咤して職場に行き、勝手に戦線離脱することを謝罪してきた。

単身赴任先で会社に行けなくなる

それから、3年以上たったある日、その頃は、私も東京へ単身赴任する前の地元にある、同じ会社の事業所で職場復帰して、東京最後の日に職場に謝りに行った一番身近で仕事を教えてくれた先輩が、別の地域の事業所でマネージャーをされていることが分かった。一瞬、目をそむけたくなった。3年たっても、どうしても当時の辛かったことや恥ずかしい思い出が蘇ってくるからだ。わかっていたが、知らないふりをしていた。

休職前の職場の同僚(先輩)に、現職場の業務で恩返し

ただ、いつまでも知らん顔をしているわけにはいかない。メールや電話での業務上のやり取りはあるし、ほかに同僚がいれば、誰が担当とは決まっていないので、対応してくれるが、ほかに誰もいないときは、自分が対応するしかない。できれば関わりたくないな、というのが本音だったが、そのうちに、決まりきった事務的な対応はするようになった。あちらも、すぐにこちらのことに気づいているようだったが、東京の時のことなど話題に上ることはなかったし、自分からも「あの時は本当にすいませんでした。」とか話を持ち出すこともなかった。

それから、半年くらいたってから、システムから吐き出されるデータをいつものようにチェックしていると、その先輩がマネージャーをされている事業所の一部の売上データが、顧客への精算・請求データを管理しているシステムと明らかに整合していないことに気づいた。さすがに、職業的懐疑心に基づいて、気づいていたの知らせなかったというのは自分の信条が許さない。早く適切な対策を取らないと傷口がさらに大きくなる可能性もある。あまりかかわりたくないとか言っている場合ではない。とにかく、冷静に、淡々と話すために、ここと、ここが、違うのでおかしいです、と説明できるように資料を作り、事前にメールしてから、すぐに電話した。

切迫した状況をうまく説明できるだろうか、という不安とはまた別の理由で、とても緊張したが、無我夢中で話した。相手に事態を理解してもらい、「それなら心当たりがある、すぐにシステム担当に相談します」と言ってくれたので、正直ほっとした。それで、問題がすべて解決したわけではなかったが、職業上の信条を全うできたことと、大変な迷惑をかけて、あれから二度と相手にされることはないだろうと思っていた相手と仕事の話を対等にでき、お役に立つことができた、という思いがけない事実が、素直にうれしかった。

あの時、何も言わずにフェードアウトしていたらどうなっていただろう、3年後の結果は同じだっただろうか。同じだったかもしれないし、違ったかもしれない。でも、休職前に形だけでもあいさつしておいて本当によかった、それが今につながったと、私は思っている。

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