続・米国公認会計士取得までの道のり

受講生各位

米国公認会計士受験専門学校のANJOインターナショナルが破綻した、というニュースは新聞で偶然知った。私が知ったのは確か2006年の5月頃のことだった。実際に破綻したのはもっと前だったかもしれない。記憶が曖昧だ。というのも、もうその頃には、米国公認会計士のことは忘れていたのである。財務経理部門に異動してから、毎日忙しく、ありがたいことに、それなりに充実していた。アメリカの会計どころか、目の前の会計処理のことで手一杯、米国公認会計士の勉強をしている余裕などなかった。

破綻を知ってから1年ぐらいたった頃に、ANJOインターナショナルと単位取得で提携していたアメリカのモンタナ州立大学の代理人のような人から、旧ANJOインターナショナル受講生にあてて、郵送物が送られてきた。その趣旨は、「過去に旧ANJOインターナショナルに受講料を支払ったものの、未だ米国公認会計士試験に合格していない者に対して、我々に法的義務はないが、かつて旧ANJOインターナショナル提携してサービスを提供していた者の道義的な責任として、救済措置を講じるので、希望する者は申し出るように」というものだった。

大手資格学校の中には、すでに旧ANJOインターナショナル受講生に、自社の講座を新規受講する際の受講料を優遇するなどの、救済措置を打ち出しているところがあることは知っていた。しかし、適用される要件が非常に厳しかった。大手資格学校TACの救済措置を検討したことがあるが、合格までに必要なカリキュラムが全部揃ったコースを全額前払いした受講生のみが救済措置の対象だった。私は割高な単科受講をしていたので、TACの救済策には該当しなかった。他も総じてそういう対応だった。しかし、モンタナ州立大学は、旧受講生であれば、単科でも救済措置を受けられるということだったので、早速、メールアドレスを登録した。

2度目の挫折

ただ、救済措置といっても、あればないよりましだが、それほど期待できるものでもなかった。新たな教材や新たな授業が受けられるわけではなく、あくまで、旧ANJOインターナショナルの既存の教材で自習するというのが基本で、モンタナ州立大学は、設定された期限まで、単位取得を含めて、ボランティアでそのサポートをする、というものだった。

米国公認会計士受験生、あるある、だが、この試験、とにかく改正が頻繁にあることが特徴で、受験生はこれに泣かされる。そんな試験なのに、教材のアップデートがない、というのは致命的である。単位取得には一定の試験料がかかるものの、基本、無料でサポートするのだから、それくらい我慢しろといわれても、これでは、敗れた傘で土砂降りの雨の中ゴールまで突っ走れ、といわれているのと変わらない。

そして、もう一つ受験生を悩ませるのが、受験資格である大学の指定単位要件が日々刻々と変わった行くことである。今年まで、会計単位6単位だけで受験資格を満たせていた州が、突然、何年何月からはビジネス単位12単位も必要になりました、とか厳しくなっている。基本、要件が厳しくなり、緩和されたという事例を、少なくとも私はいままで一度も見たことがない。

受講料を払った部分までは、勉強しなおして、単位まで取っておけば、いつか受験をするときに役に立つだろうと思っていたが、上記のような理由もあり、勉強にも身が入らず、結局救済期間として指定されていた期限は過ぎてしまった。米国公認会計士は取得したかったが、どうしても必要というわけではなく、せっかくの救済措置だったが、有効に活用できなかった。自分の中では、もう、勉強することはないかな、と思い始めるようになっていた。大袈裟な言い方かもしれないが、トラウマになりかけていた。

しかし、それでも私はその約5年後に、再度挑戦することになる。3度目の挑戦は、米国公認会計士の受験制度の改正に関する、たった一つの情報を偶然入手したことから始まった。

 

続々・米国公認会計士取得までの道のり

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