といわれても、相談できるような状況じゃなかっただろうが。
単身赴任先でメンタル不調になり、上司から最初に電話があったとき、「誰かに相談したか?」と聞かれた。「誰かに相談したか?」→「相談していない。」→「じゃあ、お前の責任もあるよな。」ということを言いたかったのだろう。困ったら相談するのが常識ある社会人、だと言いたかったのだろう。その通りなのだが、時すでに遅し、である。今それをいうのか、と思ってしまった。人の問題で何度もスレてしまって妙に人事ズレしている上司だと、自然に相手を気遣うより、相手の非を責める言葉が口をついて出てくるものだ。こちらも、「とても相談できる状況じゃなかったですよね」くらいは言いたかったが、失意の状況にあって、最初に上司からかけられる言葉がこれか、と思うと、携帯電話を握り、ひざをついて前のめりになって、声を絞り出すうちに、だんだん力が抜けていく気がした。
相談できる人間になることにした
この一件があってから、私は相談できる人間になることにした。人間はそうなると決めれば、その日から変われるのだ。職場復帰後はいろんなことがある。2回目の職場復帰後、最大のピンチは職場の人間関係だった。この時もすぐに職場の保健室に週1回来られている嘱託医(精神科)の先生にすぐに相談したことで、事態の悪化を食い止めることができた。もしかしたら、精神的に不安定になってしまって、休んでしまうという状況になってもおかしくなかったのだが、先生が何かしてくれたわけではないが、先生に相談したことで、状況を冷静に整理でき、複数の適切な打ち手を見つけることができ、職場に帰ってすぐにそれらを自分が行動することで、職場復帰を中断させずに勤務を続けることができた。相談したことが100%自分の利益になった。相談の効用恐るべしである。相談は、もしかしたら徒労に終わるだけのこともあるかもしれないが、得することはあっても損することはない。相談する相手がいなかったら、相談したい悩みを文章に書くだけでも効果がある。怒りや不安で混乱している頭の中が整理されて、相手がそういう行動をとったであろう要因や、自分が不安を感じているものの本質がシンプルになっていき、物事の対立軸が浮き彫りになってくる。また、即効性のある解決策とまではいかないが、不思議といままで思いつかなかった状況の解釈や視点が思いついて、解決策になりそうな選択肢が透けて見えてきたりする。
悩みを文章に書く
現在、抱えている喫緊の問題を、文章にまとめてみる。
来年度の職場の改善活動のリーダーをお願いしたいと上司から言われました。全く関係のない業務全体打ち合わせの最後に、突然「あと、改善活動ですが、今年度は1年、〇〇さんにリーダーやってもらったので、(私のほうを向いて)誰かほかの人にやってもらいたいなあ~っと思ってます(笑)」その後もわざとらしく私のほうを向いて言い続けるので「誰のことですか」ととぼけて無視していると、「一緒にやっていきますのでお願いしたいのですが、お願いできませんか」と言われました。
私は、突然、狙い撃ちで指名されたことと、その言い方や持っていきかたにとても腹が立ったのですが、感情を押し殺して「保留で。」とだけ答えました。私は、正直な気持ちはリーダーをやりたくありません。理由は、職場復帰を継続することに支障になるような負荷のある仕事はたとえ小さくても引き受ける気にならないからです。リスクは極小化したいのです。実は、前年もリーダーをしてほしいと、内々に打診を受けていましたが、負担が大きいことを理由にお断りしました。今回も内々に打診を受けていればやんわりとお断りしていたと思います。ただ、今回、全員がいる中で、明らかに断りにくい中で、突然、指名するということは明らかに、私に断りにくくする圧力をかけることや、他のメンバーに私が断っていることを見せようとする意図が感じられとても不快でした。
その日のうちに上司に、やりたくない旨とその理由を直接お話ししました。正式な回答はまだ保留していますが、今後どのように対応するのがいいでしょうか。