復帰可、の診断書
「〜でよければ副院長先生」は私を見つめて、こう聞いた。
「復職して上手く行く確率は、自分では何パーセントくらいだと思いますか?」
えー、えー?
復職したいと思ってはいたが、復職が成功する確率について考えたことはないのでとまどった。復職できて当たり前、と考えると100%か?でも、改めて問われるとそういいきれる自信がない。
6、7割でしょうか。
と、割り引いて答えてみたところ、意外にも、あっさり、時短勤務条件付きでの復職可、の診断書を書いてくださった。何だ、聞いてみただけなのかな、そう思って胸をなでおろしたが、その時は、またこの質問を受けることになるとは考えてもみなかった。
人事から、一見、魅力的に見える提案
どこの会社でもそうなのか分からないのだが、自分の場合は、職場復帰可、の診断書があったとしてもすぐには復帰できない。その診断書を会社に送って、会社の産業医の面談を受けて、OKをもらってから、ようやく復帰できるというシステムだった。それとは別に、人事とは診断書を会社に送った後に、復帰を前提に復帰のスケジュールや細かい取り決めについてのやり取りがある。
産業医の面談と言っても、主治医の診断書がある以上、余程の事情が無ければ、復帰NGとなるとは考え難い。
産業医の面談は会社の職場復帰の手続きに最後にお墨付きを与える形式的なものだといってもいい。つまり、産業医の面談より人事とのやり取りのほうがより重要だといえる。
他の人は、どうか分からないが、私の場合は復帰当初は時短勤務することが条件になっていた。人事もそれを前提に、ある提案をしてくれた。
それは、所定労働時間を短くするのに、終業時刻を早めるのではなく、始業時間を遅くすることで調整してはどうかというものだった。早帰りではなく、遅出の方が負担が少ないのではないか、という配慮だったと思う。
早帰りと遅出はどちらが負担が少ないか
メンタル系疾患で悩まされるのが、夜は寝られない、朝は起きられない、である。
朝、起きるのは誰でも辛い。特に冬の朝や残業が続いた時などは普通の人でもずっと寝ていたいと思う。職場復帰にあたって、最初は時短勤務、しかも遅出でもよい、といわれれば、朝は少し遅くまで寝ていてもいい、朝のラッシュアワーを避けて出勤できる、など魅力的な内容だと思うのが普通だろう。
私も時短勤務といえば勝手に早帰りの方をイメージしていたので、遅出でも認められるなら、とお願いすることにした。