双極性障害(躁うつ)と診断される
待てば予約なしでも診てもらえる、「~でもよければ副院長先生」の診察で、人生で初めて双極性障害(躁うつ病)という診断を受けた。薬もすべて変わった。診断が変わったから当然だ。
治療方法も変わった。薬物療法が中心なのは変わらないが、急性期が過ぎると薬物療法に加えて、社会生活リズム療法と認知行動療法が加わった。
「~でもよければ副院長先生」の診察を受けたのは、土曜日だった。家族は朝から子供のイベントで家を空けており、家で一人だった。
院長先生の予約をあきらめてからしばらくは精神的に高揚していた時期があったのだが、急にどうしようもない不安感が襲ってきて、その日は朝から精神的に最悪な状況だった。クリニックは土曜日も午前中だけ診察をしていたため、父親に頼んで迎えに来てもらい、初めて診察を受けたのだ。
土曜日に診察を受けられるようにしているのは、おそらく会社員や公務員が働きながらでも通院しやすくするためだろうと思うのだが、休職している自分はいつでも行けるのに、わざわざ土曜日に行くという、何か申し訳ない気がする。
その当時はそんなこと考える余裕がなかった、ということだ。とにかく、今日楽になりたいという一心だった。問診票や、アンケートのような心理テストのようなものを書きながら、おそらく1時間半以上は待ってから診察室に呼ばれた。
「~でもよければ副院長先生」は30分以上診察をしてくださって、最後に「今日診察した人の中で一番重症だ」といって、「いままで双極性障害といわれたことはない?これ、うつではないわ、双極性障害、いま混合状態がでているから、なかでもⅠ型のほう」と診断し、今日処方する薬を飲んで、以後しばらく車の運転は禁止、と言い渡した。
もともと前のクリニックでは職場復帰が遅くなりそうだからと不安になって、クリニックを変えようと決心したのに、何かもっと大変なことになっていくような不安を感じながらも、双極性障害、という想像もしたことないような病名を言い渡されて、逆に新しい治療を受けられるようになれば状況が根本的に改善するかもしれないという、妙な安心感、期待感のようなものを感じたことを覚えている。
薬物療法に加えて、「朝決まった時間に起きる、三食食べる、運動する」といった生活リズムを整える社会生活リズム療法、カウンセリング、を受けて徐々に安定していった。そして、「~でもよければ副院長先生」に思い切って聞いてみた。復職はいつ頃できそうでしょうか、と。