1回目の復職時とは違う何かが必要だった
休職して、復帰して、また休職してしまった後、ほとんど家でダラダラ過ごす時期が2カ月くらい続いた。その後、「~でもよければ副院長先生」の指示で、朝決まった時間に起きる、三食食べる、一日一万歩歩く、を始めて3〜4ヶ月経った頃、ふとリワークを利用しようかという考えが頭に浮かんだ。
早速家族に聞いてみる。「リワーク行ったほうがいいかな」。家族は賛成だった。最初に休職して、復帰する前にリワークを利用することを勧めてくれたのは家族だ。それを私は無視したのだ。
リワークは復職訓練の一種だ。公的機関、民間企業、様々な団体がリワークプログラムを提供している。前回は、何も考えずに復帰して失敗した。半年も休んだのだから、疲労もとれているし、また単身赴任するわけではなく、地元の職場に復帰できるのだから余裕だと思っていたが、甘かった。次は失敗できない。前回とは違う何かが必要だ、と薄々気付いていた。しかし、リワークプログラムを受けるのは、心理的にハードルが高かった。
最大の心理的なハードルは、職場の真似事を毎日やる、ということ自体に抵抗があったことだ。大の大人が何のお金も成果も生まない職場になれるためだけに、仕事のままごとみたいなことをやる。そんなことをして本当に意味があるのだろうか。そして、仕事にさっさと復帰せず、そんなこと(←当時は、かなり偏見が入っていた)をやっている自分が情けない、という感情もあった。だから、最初の復帰の時は、リワークプログラムを受けなかった。
朝決まった時間に出る、夕方まで外で過ごす、一日一万歩歩く
思い立ったらすぐに、「~でもよければ副院長先生」に相談した。答えは、大賛成だった。「診断書が必要ですから、いつでも書きますよ、でも、先にリワークへ電話して、見学に行ってきたほうがいいですよ。手続きについても聞いてきてください。」と言われた。
まずは、どこでリワークプログラムを受けるか、を決めなければいけない。私の場合は職場までの通勤経路上の駅の近くに一か所、自宅から徒歩圏内に一か所、リワークプログラムを提供している事業所があった。前者は、以前家族が勧めてくれたところで、後者は自分で探した。
前回復帰した時、行って帰ってくるのが意外と大変だった。そこで、毎日バスと電車で通う必要がある、通勤経路上のリワークがいいかなと思っていたが、最終的には自宅から徒歩圏内にあるリワークを提供している事業所にした。最も大きな理由はタダ、だったからだ。実際は費用はかかるのだが、それが、雇用保険被保険者だと、費用が雇用保険からまかなわれるので、利用者には請求されないのだ。
すぐに、電話して、見学の予約を取った。2018年の8月初旬のことだ。訪問日は同月の最終木曜日の午後を指定された。すぐに電話しても約3週間後だ。結局、リワークを受けられるようになるまで、見学からさらに2か月くらいかかった。
見学時に、検査や面談も受けて、手続きの説明も受けた。それをもって、「~でもよければ副院長先生」に報告すると、すぐ診断書を書いてくれた。そして、こう続けた。リワークプログラムを受けるなら、「朝決まった時間に出る、夕方まで外で過ごす、一日一万歩歩く」ができるようにしてください、と。