枡野俊明著「仕事も人間関係もうまくいく放っておく力」書評

本書を読む前

確か4、5年前だと思う。自分が休職しているときに本屋で偶然見つけたのが、枡野俊明先生の「心配事の9割は起こらない」という本だ。

将来に不安を覚えていて、一日のうちの15時間ぐらいがずっと不安というかなりヤバい精神状態の自分に一筋の光をもたらしていただいた名著だ、と今でもとても印象に残っている。

数週間前、喫茶店でモーニングを食べているときに読んでいた新聞の広告欄に、桝野俊明先生の新著の広告が載っておりすぐに題名をメモした。後で忘れないうちに買うためだ。

現代は、メールもチャットもリアルタイム返信が当たり前。それが休みの日であってもお構いなしの人もいる。私はさすがに付き合えない。

LINEの職場のグループに入ってほしいといわれたがとんでもない。そんなのこちらから願い下げだ。職場の人間関係は職場だけで十分だ。プライベートの時間までつながるのは勘弁してもらいたい。

仕事も人間関係も不必要にリアルタイムすぎるのではないかと思っていたので、そのあたりの心構えを教えてもらいたいと期待しつつ本書を手に取った。

気づき

1.「謙虚さ」とは「自分のできること、得意なことをして社会に貢献すること」

自分ができないこと、不得手なことを無理してやろうとすることは、身のほど知らずで、傲慢、自分らしくない。

2.嫌いな人とうまくやっていくコツ・・・私情挟まず、感情入れず

嫌いな人だと思うと余計に嫌なところが目に付くので、そこは見ない、聞かない。

特に嫌いな人との人間関係は、とにかく仕事上のつきあいだけに徹する。

3.ご縁に導かれて行動するとうまくいく。逆にうまくいかなかったらご縁がなかったと考えればいい。

単に「ご縁がなかっただけ」と考えるだけで、心が軽くなるものだ。

4.損得勘定に従うな、そうではなくご縁に従うと人生うまくいくようにできている。

この仕事はやっておくと評価が上がるな、とか、これはやっても誰からも評価されないから手を抜いておこう、とかいうのは間違い。意気揚々とやってみたらトラブルに巻き込まれたり、つまらない仕事だと思っていたけどきっちりやっていたら、その経験が後々の仕事に生きることもある。人間の浅はかな損得勘定に従うな。

5.「できないものは、できません」といってはっきり断る。あの人は、頼んだら断らない人だ、と思われないようにすることが重要。

6.相手によって変わらない自分の顔を持つ。これが、相手との信頼関係を気づく第一歩。

いつもびくびくして相手の顔色をうかがわない。びくびくしている人は信頼されないし、自分も疲弊する。

7.職場の人間関係は職場で完結、でOK。

職場の人間関係は今は「ドライ」が標準。同僚のプライベートには不必要に立ち入らないこと。

8.世の中には、「放っておいた方がいいこと」がたくさんあることを理解する。

9.失敗した過去は、将来失敗しないための経験知。

後悔するのではなく検証する。それが失敗を活かす最高の方法。

後悔は妄想。妄想するなかれ。過ぎたことをくよくよ悩むのは無意味。

10.得意なことに磨きをかける。

得意なことは10の努力で10の成果が出るが、苦手なことは12の努力でも8の成果しかでない。

君、もう、社会人の基礎は身についただろ。そろそろ苦手なことから自分を解放してあげてもいいんじゃないか。

TODO

1.自分の得意を見つけてそこを伸ばす。自分の得意で貢献する。

2.ドライな人間関係が今の時代の標準。それでいい。冷たいと思わない。嫌いな人ともドライに。

3.後悔しない。後悔のかわりに検証して失敗を今後に活かす。

4.相手の顔色をうかがわない。相手によって変わらない自分の顔を持つ。

 

748円

 

累計19冊 29029円

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