岸見一郎、古賀史健著「嫌われる勇気」書評

本書を読む前

休職中に、本屋で本書を手に取ったことがある。当時、アドラー心理学ブームの真っ最中で、店舗中央の棚に平積みされていた。さっと読んだが、10ページくらい読んでまた元の場所に戻してしまった。

当時は休職中で、日中、散歩で駅まで歩き、その帰りに本屋に立ち寄った時のことだ。まだ難解な本を読むための集中力が続かない状態だったことも理由の一つだと思うが、やはり言葉が重い。当時の自分にとっては直視するには辛いことが書かれている、と直感的に感じとっていた。

職場復帰してもう少しで2年半経過する。最近は、睡眠も運動も十分で、仕事にも支障なく通える状態が長く続いている。心身の状態はとてもいい。

休職中の当時の状態とは雲泥の差だ。初めて出会ってからずっと避けてきた本書だが、今なら向き合えるかもしれない。そう思って思い切って約4年ぶりに手に取った。

おそらく、自分にとって耳に痛いことが書いてあるだろうことは直感的に感じていた。しかし、最近過去の降格の理由を会社に聞いて、それに向き合うことができた私だから、今ならどんなことを突き付けられても大丈夫、へっちゃらだという気もしていた。

自分の耳に痛いことも受け入れて、自己成長に生かせることがあれば積極的に取り入れたい、と思って読み始めた。

気づき

1.特別であることへの憧れを捨てて、普通でいることへの勇気をもつ。

2.自己肯定ではなく自己受容。60点の自分をそのまま認める。何が変えられなくて、何は変えられるのか見極める知恵を持つ。変えられないものについてはあきらめる。変えられるものについては変える勇気を持つ。

3.何を与えられるか、は選べないが、与えられたものをどう生かすか、は自分で選択できる。

4.人間は、客観の中には生きておらず、主観の中に生きている。だから、過去の出来事にどういう意味付けをするかには意味がある。

5.人間関係の問題の解決には、課題の分離が不可欠。それは他者の課題か、自分の課題か、冷静に考える。

他者の課題に土足で踏み入らない。自分の課題に土足で踏み込ませない。

6.他者貢献できた、と思えた時に、自分の価値があると思うことができる。感謝の言葉を聞いたとき人は他者貢献できたことを知る。他人の評価によってではない。

7.今の自分が自分である理由は、自分がそのライフスタイルを選んだから。変わらないことを繰り返し決心しているから。

8.相手の言動によって本気で腹が立った時は、相手が「権力争い」を挑んできていると考えること。その時は絶対に乗ってはいけない。

9.健全な劣等感とは、理想の自分と自分との間に生まれる。他人と自分との間に生まれるのは劣等感ではなく、劣等コンプレックスという。

10.人生は他人との競争ではない。優越性の追求は、今の自分が今より前に踏む出すこと。前に踏み出す「勇気」が大切。

TODO

1.「それでいい」とつぶやく、自己受容の4行日記を毎晩寝る前に書く、など自己受容の訓練をする。

2.課題の分離を心掛けて、人間関係で心乱されないようになる。

3.ほめるのではなく、ありがとう、という。

4.相手の言動によって本気で腹が立った時は、相手が「権力争い」を挑んできていると考えて、絶対に乗らないようにする。

5.いま、ここ、を生きる。これから変えられることをに目を向ける。

 

 

1650円

 

累計16冊 25861円

 

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