【宅建受験生必見】宅建受験のモチベーションが爆上がりする方法

偶然遭遇した、願っても得られない貴重な経験

昼休み、コメダ珈琲で食事だけすることがたまにある。モーニングの時間帯を除けば、コメダ珈琲でコーヒーだけを注文することはまずない。雨の日で、昼休みに遠くに行く気がしない時や、あまりおなかがすいていないので軽く済ませたい時はコメダ珈琲で食事する。食事を済ませた後は、読書したり、資格や英語の勉強をしたり、昼寝したりして、昼休みが終わるまでそこで過ごす。

その日は雨でたまたまコメダ珈琲で食事をしていた。私は2人掛けの席に一人座り、ミックストースト620円を単品で頼んで商品の到着を待っていた。すると、通路を挟んで隣の4人掛けの席に、どこにでもいそうな冴えない中年の男性と若い女性が2人入ってきた。普通なら向かい合って座るものだが、不自然に2人横並びに座っている。妙な取り合わせだなあ。どういう関係なんだろう。さしずめ上司と部下という関係だろうか。でも不自然に年が離れているなあ。あー、なるほど。お客さんか誰かを待っているんだ。

案の定、しばらくして濡れた身体をふきながら若い男性が入ってきた。私は到着したミックストーストをほおばりながらも、3人の関係性や、話の内容がついつい気になってしまった。自然と聞こえないふりをして、聞き耳を立ててしまっていた。

中年の男性のほうが、世話話を切り出し、女性は挨拶を交わした後は黙ったままだ。しばらくして、ようやく本題に入るようだ。「重要事項の説明」という言葉が中年の男性の口から出て、私はハッとした。もしかしてこれ、重要事項説明書の説明のこと?

将来の自分の姿がイメージできるとモチベーション爆上がり

思った通りだった。私の耳が拾った断片的な情報によれば、若い男性は美容師で美容院を独立開業しようとしている。そして、貸店舗を借りようとしているようだ。貸店舗の所在地は地名から察するに、いまいる場所からはかなり遠い場所でしかも他県のようだ。ということは、この若い男性は、今はまだ、このコメダ珈琲からほど近いところにある美容院に雇われて働いているのだろう。そして、仕事の合間に抜け出てきて、仲介業者から重要事項説明を受けているのだ。

それはちょうど宅建試験の勉強を始めて7、8カ月くらいになる頃だった。いま自分が勉強していることと実務はどれくらい違うのだろう。私は興味を持って話を聞き続けていた。幸い、3人に不審に思われることはなかった。重要事項説明は重要事項説明書の要点を読み上げ、途中で詳細の説明をはさむ形式で進み、滞りなく10分前後で済んだ。若い男性からは特に質問は出なかった。最後に説明を受けた若い男性が重要事項説明書に署名と捺印、書面の交付を受けて終わった。いつの間にか話題は、店舗の改装、銀行融資へと移っていた。

重要事項説明を終えて、ひと仕事終わった感のある中年の男性のほうは、最初の世話話の時より一段と気安く話していて余裕があった。一方同席していたもう一人の若い女性は最初に挨拶を交わした以外、結局一言も発していなかった。

若い女性は恐らく仲介業者の営業担当で、宅建士の資格は持っていないのだろう。重要事項説明は宅建士しかできないと宅建業法で決まっているからだ。これも勉強してすでに習ったことだった。契約を取ってきても、宅建士の資格がないと、契約前に必須の重要事項説明が自分でできない。有資格者に頼まないといけないので、取引を自分で完結できないと。本当にその通りなんだと思った。

隣の席に誰もいなくなってから、私はすぐに持っていた宅建講座の問題集を広げた。「やっぱりこの資格、絶対取りたい」。勉強を始めてから一番強くそう思った。店に入ってきたとき、どこにでもいそうな冴えない中年の男性にしかみえなかった人は、重要事項説明を終えて席を立つときには、私にはスーパーマンに見えた。

宅建試験の勉強をしている人、勉強していても勉強に身が入らない人、勉強が途切れがちになっている人、ちょうどいま本当につらい時期に差し掛かっていることだろう。もし、モチベーションがもう無理~、と思っている人がいたら、実務の現場を半日でも1時間でも見せてもらえるような機会を自分で作ってみたらどうだろう。あなたにとってのスーパーマンに会えるかもしれない。

あの日、私は偶然スーパーマンを目撃したのではない。試験に合格した後の自分自身を目撃したのだ。だから、もしあなたが、実務の現場を見る機会を得て、そこでスーパーマンに会ったとしても、それは偶然スーパーマンに会ったのではない。試験に合格した後のあなた自身に会ったのだ。

そう思える日が必ず来ることを、私の経験から断言しよう。

 

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